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またなの [詩作品]

久しぶりで更新します。今年前半も間もなく過ぎようとしています。2月から3月にかけて足の手術で入院するなどして、ずいぶんペースが遅れました。今日は中井ひさ子さんの「ブランコのり9号」からの作品を載せたいと思います。

           またなの         中井ひさ子

       
       こんな日は
       考える人になって と
       公園のベンチに座っていたら


       昨日言ってしまった
       ひと言が
       からだのすき間から
       聞こえてきて
       ちりちり 痛いよ

      
       またなの と

       
       ラクダが
       けむたげな目をして
       通り過ぎていく

       
       冷たいね

       
       春だもの
       微かに揺れている
       桜も 木蓮も 菫も 大根の花も
       とり集めて見よう


       見渡せば
       風の
       大仰な身振り手振りで
       もっと もっと
       思い出してしまったよ


       ぼくの
       こぶの中にあるものなあに
       帰ってきた
       ラクダが聞いた 


    ””””””””””””””””””””””””””

少ない語彙なのに、というかそのために、呼吸のリズムがびんびん伝わり、現実味を感じてしまう。とくにラクダ(中井さんのなかの一因子?)が生きている。一人称が(ぼく)で登場するのが印象的。(俺)とか(私)に入れ替えて見ると、空気が一変するのでおもしろかった。彼女はここですっと(ぼく)にしたのかなあ。今度きいてみよう。        
           

      
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